ハンドメイドルアーを作るにあたって、始めたばかりの頃は雑誌のハンドメイド特集やネット上のハンドメイド関連のブログなどを読みあさって勉強していた自分が懐かしい。
当時はまだスポーツ大好きな大学生だった自分が何故こんなにものめり込んだのかは自分でもよく分からないが、子供の頃からモノづくりが好きだったことだけは確かであることと、当時いくつか目を通していたブログの中で互いに自然と引き寄せられたランドナーの大石惣一との出会いは非常に大きなターニングポイントだったように感じています。
当時ネット等で調べた製作方法に関する情報が今となってはほとんど使われていない製法ばかりということは、結局このハンドメイドというものが自身のトライアンドエラーの結晶以外の何ものでもないことを示唆しているような気がします。
習熟した作り手の製法はほとんどの場合が公開されることはありませんので、ネットや雑誌で見つかる情報というのは間違いが多かったり、肝心な要点については伏せられているものです。
私自身はその後、Raytune上原氏を師として10年間の修行期間を経て今に至りますが、上原氏も原則として改善点のアドバイスはしてくれるものの、作り方については自身で考えるように言われていました。
それ故、私の作り方は独自の製法のところも多く、これが絶対に正しいと言えるようなものではありませんし、作り手として必要以上の情報公開することもありません。
とは言え、ハンドメイドの楽しさを知って欲しいという気持ちもあるので、入門編の部分は私からも発信して行こうと思い、こういった記事を書き綴ります。
是非オフシーズンの楽しみとしてハンドメイドに挑戦してみてはいかがでしょうか。
今回はハンドメイドルアーの製作にあたって一番最初のボディの組み立て工程からやっていこうと思います。
ボディ整形編 / デザイン
①まず方眼紙にミノーをデッサンし、型紙を作る。
方眼紙にシャーペンでイメージするルアーを描いてみる。
自分が欲しいと思う性能のルアーをイメージして書き出すこの瞬間が、全工程の中でもこの時が一番ワクワクして楽しいと思っている。
慣れてくるとこの段階で泳ぎのイメージが固まってきて、ラインアイの位置などの泳ぎに大きく影響を与える要素は微調整しながら描いていく。
ボディーの大きさ・形状からウエイト量もこの時点で大体決まってくるので、飛距離やアクションを見るために2〜3パターンのウエイトセッティングをテストしている。
薄めのアクリル板を方眼紙の上に重ね、転写する。
転写したらアクリル板をハサミで切り抜いてテンプレートが完成するのだが、一つ要点としては最終的に完成するルアーはテンプレートの形状よりも大きくなるので、そこを計算に入れておくこと。
テンプレートが完成したらバルサ材へ転写していく。
ルアーは2枚のバルサ材を張り合わせて1つのボディを作るので、テンプレート(型紙)を使ってバルサに左右のボディのアウトラインを描き、切り出す。
バルサ材は世界で最も軽量な木材なので、カッターナイフなどでサクサクと切ることができる。
バルサ材は厚さ3mm・4mm・5mm・6mmといった感じで1mm間隔で売られているから、ルアーのボディ厚に必要なものをその都度選定していきます。
ボディ整形編 / ワイヤー曲げ
②次にアイ(スナップやフックを装着するためのリング)となるワイヤー曲げて加工する。
使用するワイヤーは錆びにくいステンレスのワイヤーを使用します。
ステンレスワイヤーにも種類があり、一般的にホームセンターで売られている軟線ステンレスワイヤーと少し入手しにくい硬線ステンレスワイヤーがあります。
軟線の場合はワイヤーが柔らかくペンチなどで容易に加工できるので慣れない方は軟線をオススメします。
硬線はバネ線に使われるほど弾性があり、曲げても元の形に戻ろうとする性質がありますが、一度曲げてしまえば変形しにくく高強度です。
キャストミスで岩にテールアイをぶつけてもほとんど変形しないのが硬線の魅力なのです。
Monochromeでは長く使っていただけるミノーを作るために、このステンレス硬線を使用しています。
硬線を曲げる度にいつも手にマメができて、潰れたマメの上にまたマメが出来るのです(笑)
ひとまず前編はここまで。
次回、ボディ整形編・後編はまた次回ということで。
ではまた!
投稿者情報
小さな釣具屋モノクローム(Fishing Gear Monochrome)
〒501-5122 岐阜県郡上市白鳥町為真166-2
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