ボディ整形編・後編です。
前編記事でも同じことを言っていますが、習熟した作り手の製法はほとんどの場合が公開されることはありませんので、ネットや雑誌で見つかる情報というのは間違いが多かったり、肝心な要点については伏せられているものです。
私自身はその後、Raytune上原氏を師として10年間の修行期間を経て今に至りますが、上原氏も原則として改善点のアドバイスはしてくれるものの、作り方については自身で考えるように言われていました。
それ故、私の作り方は独自の製法のところも多く、これが絶対に正しいと言えるようなものではありませんし、作り手として必要以上の情報公開することもありません。
とは言え、ハンドメイドの楽しさを知って欲しいという気持ちもあるので、入門編の部分は私からも発信して行こうと思い、こういった記事を書き綴ります。
是非オフシーズンの楽しみとしてハンドメイドに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ボディ整形編 / ボディ接着→削り出し
③バルサにワイヤーとウエイトを挟み込み、接着する。
ウエイトにはタングステンや鉛といった素材を適材適所で使用し、ボディの形状や体積に合わせて必要なウエイト量を弾き出す。
よく、内部のウエイト設計など、見えない部分が肝だと思っている方が多いが、実際にはウエイトよりも外観から判断できるボディの形状やアイ位置の方が重要だったりする。
内部構造がわからなくとも、ミノーの外観と手に持った時のウエイト量が分かればそのミノーの泳ぎはほぼ想像できる。
そしてバルサを「貼り合わせてから削る」のか、「削ってから貼り合わせる」のか、という手順については良く問われる部分でもある。
私の場合は前者の「貼り合わせてから削る」を採用しているがこれには色々と理由もある。
一つは削る前の方が圧着しやすいということ。
圧着時に柔らかいバルサが潰れてはいけないので、先に貼り合わせた方が良い。
もう一つはこちらの方が工程が少なくて済むということ。
後者の「削ってから貼り合わせる」為には、まず両面テープで左右のバルサ材を仮止めして削りだし、再びカッターナイフで半分に割ってからウエイトやワイヤーを挟み込むという手間が生じる。
どちらが間違いということではないのですが、私の作るミノーの場合はその方が良いのです。
カッターナイフや切り出し刀を使ってボディに丸みを持たせるように荒削りする。
この時点で大体9割以上の整形が完了し、あとなサンディングペーパーでより滑らかな曲線になるようにサンディングする。
バルサの整形に使用するサンドペーパーは#240と#320を使用する。
私の場合は整形したボディの形状や体積に差が出来ないよう、電子ノギスで決まった箇所を図りながらサンディングしていく。
ここまでくるとルアーらしさも大分出てくるけれど、ここから先の工程はまだまだ長い道のりが待っている。
数十回に及ぶディッピング(コーティング)、アルミ貼り、塗装、目玉入れ、リップ装着、スイムテスト、梱包など数多くの工程が待っているのだ。
Monochromeでは最も強度の高いセルロースセメントによるディッピングを50回程度行う製法を採用しています。
製作にかかる期間は最短でも1ヶ月かかりますが、いくつかの作品を同時進行していくため実際にはそれ以上の期間を経て製造されていくのです。
この続きはまたどこかで書き綴りたいと思います。
次回、ディッピング〜アルミ貼り編は時間できた時にでも。
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小さな釣具屋モノクローム(Fishing Gear Monochrome)
〒501-5122 岐阜県郡上市白鳥町為真166-2
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