Monochrome Bullet-110DRF完成

HANDMADE LURE

製品開発の裏側

ようやくバレット110DRFが試行錯誤の末に完成しました。

バレットの開発が始まったのは2021年、今から4年前に神通川サクラマス遊漁に当選し、通っていた時のことです。

僕が神通川に当選していた当時はコロナウイルスの真っ只中、おまけに神通川のサクラマスの大不漁が続いていた年でした。

本来であれば上流域の釣りを楽しみたいところでしたが、神通川は通常時でも遡上のピークが5月頃とされている河川で、遡上が少ない状況も考慮して少しでも遡上した鱒がバラけていない下流部の釣りに専念することにしました。

下流部の流れは上流のように障害物がほとんど無いため、流れの緩急が少なく川一面に押しの強い流れが端から端まで流れている状態です。

下流部なので川幅も大きく、飛距離はもちろん重要。そして何より、下流部の流れの場合はある程度レンジの深いミノーでなければヒット率が下がってしまうことに気づきました。

ここから「よく飛び」、「よく潜る」ミノーの試作が始まったのです。

試作ミノーは常にレシピのようなメモを残しておきます。バレットはこれまでに一番多くの試作品を作ったモデルの一つです。

僕自身、ハンドメイドルアーを設計するときには固定重心にこだわってミノーを設計します。

移動重心で解決するのではなく、ボディ形状や重心位置などのバランスを突き詰めて気持ち良く飛んでいくミノーが作りたいのです。

固定重心設計において「飛距離」と「潜行能力」は相反する能力である為、両立することは難しいですが、特有なボディ形状とウエイト配置、リップセッティングのバランスによってこれらを解消することが出来ました。

大本流でストレスを感じない、ぶっ飛びダイビングレンジのバルサミノーがモノクロームのバレットシリーズなのです。

基本的にはサクラマスでの使用をメインに考えて設計しておりますが、本流の大ニジマスが大きなミノーに反応するタイミングにも有効であることが分かっています。(レインボーハンターのスタッフ大森の調査による)

スペック

Monochrome Bullet-110DRFのスペックは以下の通りです。

LENGTH:110mm

WEIGHT:約10.2g(フックレスウエイト)

TYPE:ダイビングレンジフローティング(DRF)

潜行深度:1.5m前後(クロス〜ダウンクロス使用時)、最大深度2.0m程度

推奨リング:#3

推奨フック:がまかつ トレブルSPーMH #5

価格:税込13,800円

出荷品の検品に関する注意点

ハンドメイドルアーは製造したすべてのルアーがセンターバランスになるわけではありません。

天然素材故にバルサの比重も個体差があるのはご周知の通りですが、手作業ですべて正確に、均一に作ることは不可能です。

ハンドメイドルアーは必ず出荷前にスイムテストを行い、真っ直ぐ泳ぐようにアイのチューニングをしてから出荷されます。

また、バレットのリップにはかなり大型のリップを採用しております。

バレットはリップのサイズ、取り付け位置、角度などの条件から、手作業で装着したリップの微妙な誤差が泳ぎに大きく反映されてしまうという欠点があります。

手作業による誤差が泳ぎに反映されにくいリップの設定も検討しましたが、このセッティングでなければこのミノーの目的である「よく飛び」「よく潜る」ミノーにはなれない。

「釣るために必要な性能」を最優先し、この特性をご説明した上で販売を行うことにしました。

上記の理由から、通常よりもアイのチューニングを強く施したものがありますのでご承知ください。

ルアーのスイムテスト後(チューニング済み)でもお使いになるフックセッティングでバランスが変わることもあります。

またチューニングから時間が経過すると、未使用の状態でもワイヤーの復元作用によってやや戻ることがあります。(モノクロームではバネ線を使用しているので硬く、高強度ですが復元作用も強いです)

もちろん、実釣でお使いになれば使用に伴ってアイが狂い、チューニングが必要になってきます。

ハンドメイド製品をお使いになる場合は使い手もチューニングの技術が必要なのは言うまでもありません。

チューニングの際は曲がって泳ぐ方向とは逆方向へラインアイを曲げます。

曲げる際は一気に曲げると金属疲労も起こしかねないので、少し力を入れてみて「曲がったかな?」という程度に少しずつチューニングしてください。

ラインアイだけでなく、テールアイやベリーアイが曲がっている場合も泳ぎに影響しますので必ずチェックください。

Bullet-110DRFでの釣果

5年間の開発期間中、もちろん実釣に抜かりはありません。徹底的に実践で投げ倒し、修正を重ねました。

北陸のサクラマスだけでなく、秋田県にも遠征し大本流でのテストも行ってきました。

秋田県のサクラマス河川は規模がとても大きく、「飛距離」と「レンジ」の両立を目指したバレットの性能を確認する上では最高のフィールドだったのです。

この時の様子は動画でもすでに紹介されておりますが、ここで改めてご紹介させてください。

理由は分かりませんが、バレットにヒットするサクラマスはサイズが大きい傾向が見られます。

僕の推察としては、ダイビングレンジでありながら、水中では水平姿勢を保ちやすい設計であることが大きな鱒にルアーを見切られにくい要因では無いかと考えています。

北陸サクラマス遠征でキャッチした62cm。
2024年北陸サクラマス遠征。Bullet-110DRFにて62cmのキャッチシーンはこちら。
2024年北陸サクラマス遠征でキャッチした65cm・3.6kgのオスのサクラマス。
2025年秋田サクラマス遠征。タキガヒラがキャッチした67cmのサクラマス。
2025年秋田サクラマス遠征。CASKET手島さんがキャッチした61cmのサクラマス。
2025年秋田サクラマス遠征。CASKET手島さんがキャッチした66cm・4kgアップのオスのサクラマス。
2025年秋田サクラマス遠征。Bullet-110DRFにて手島さん66cm、61cmをキャッチ。タキガヒラは67cm(動画内では66cmと記載されてますね汗)をキャッチ。Bullet110DRFにヒットするサクラマスはでかい…!

あとがき

Bullet-110DRFの初回販売は近いうちに当ブログでも公開させていただきます。

今しばらくお待ちくださいませ。

そしてすでに新たなミノーの試作も幾つものモデルを並行して行っています。

バレットに続いて次にリリースされるのはブログでも度々登場しているMonochrome95SRF(仮称)でしょうか。

これからもたくさん釣って、楽しく製品開発していきますのでどうぞお付き合い頂ければと思います。

現在開発中の試作品達。この時間が一番楽しいのです。

小さな釣具屋モノクローム(Fishing Gear Monochrome)

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