トラウティストの僕たちが愛してやまない身近な存在のイワナ。
僕も幼少期にはおじさん達から過去の大イワナの話を何度も聞かされて育ちました。
おじさん達の話の中には80cm〜100cmを超えるイワナの話もあり、子供ながらに夢を膨らませていました。
大人になった僕が、自動車という最大の武器を手に入れて幼少期から憧れた大鱒達に挑戦する為に各地を放浪するようになったのですが、実際にこのイワナという魚はどれくらいのサイズに育つものなのでしょうか?
僕なりに調べてみた結果と、長年釣りをしてきた経験などを交えてをここに記しておきたいと思います。
この大イワナの記事はこちらから。
岩魚(イワナ)の日本記録
公式記録として残されているJGFA(Japan Game Fish Association)日本記録では、イワナという種族の細かい分類はなく、アメマス(エゾイワナ)も同じようにイワナの釣果として取り扱われています。
JGFAに記載されているイワナの全長で最も大きなサイズが92cm(5.65kg)のアメマスです。
同じくJGFAに記載されている重量で最も大きなサイズが87cm(7.30kg)のアメマスでした。
どちらのアメマスも北海道で有名な大物釣り師、片岡氏が釣り上げた魚です。
(※2024年9月現在)
しかしながら私が実際に知りたいのは降海したアメマス(エゾイワナ)の日本記録ではなく、内陸で育ったニッコウイワナやヤマトイワナなどのサイズです。
主に日本在来種のイワナには以下の種類があるとされています。
①エゾイワナ(アメマス) ②ニッコウイワナ ③ヤマトイワナ ④ゴギ ⑤オショロコマ ⑥ミヤべイワナ
この内オショロコマとミヤべイワナはそれぞれの学名を持っていますが、①エゾイワナ〜④ゴギまでの種類については学名は同じで、種としては同一(Salvelinus leucomaenis leucomaenis)として分別されています。
他にも滋賀県姉川のみに生息するナガレモンイワナなどもありますが、これらについても同じくSalvelinus leucomaenis leucomaenisとして分別され、地方特有の進化を遂げた同一種としています。
①エゾイワナ(降海型:アメマス)
学名:Salvelinus leucomaenis leucomaenis
(サルべリヌス・ロイコメニス・ロイコメニス)
サケ科サケ亜科イワナ属
白斑が大きな点が特徴の一つである。
日本では日本海側は山形県以北、太平洋側は千葉県以北に分布。つまり北海道と東北に多い種である。
本種には降海型(アメマス)と陸封型(エゾイワナ)がある。海外では朝鮮半島からプリモルスキー、サハリン、千島列島に分布している。
②ニッコウイワナ
学名:Salvelinus leucomaenis leucomaenis
(サルべリヌス・ロイコメニス・ロイコメニス)
サケ科サケ亜科イワナ属
エゾイワナほど白斑は大きくはない。細かい白斑がはっきりと出るのが特徴。
国内での分布も広く、各地方で見られるイワナである。
③ヤマトイワナ
学名:Salvelinus leucomaenis leucomaenis
(サルべリヌス・ロイコメニス・ロイコメニス)
サケ科サケ亜科イワナ属
背中の白斑がほとんど無いのが特徴の一つ。
朱点が非常に濃く、鮮やかな個体も良く見られる。
イワナの中では希少種とされており、山奥の山岳渓流など放流事業の影響を受けないエリアで見かけることが多い。
④ゴギ
学名:Salvelinus leucomaenis leucomaenis
(サルべリヌス・ロイコメニス・ロイコメニス)
サケ科サケ亜科イワナ属
山陰地方に生息するイワナ。
頭部にも白斑が散在するのが特徴である。体側の白斑がアメマスのように大きいのも特徴の一つである。
⑤オショロコマ
学名:Salvelinus malma krascheninnikovi
(サルベリヌス・マルマ・クラシニンニコヴィ)
サケ科サケ亜科イワナ属
本種はサケ科イワナ属に属し、ミヤベイワナとは亜種関係にあるとされる。
イワナの中でも冷水を非常に好む種なので、国内では北海道のみに生息し、北海道の中部以北の山岳地帯を中心に分布している。
一部地域では河口まで生息することもある。
国外では、朝鮮半島東北部からカナダのロッキー山脈までの北太平洋と北極海およびその周辺地域に広く分布する。
⑥ミヤべイワナ
学名:Salvelinus malma miyabei
(サルベルヌス・マルマ・メヤベイ)
サケ科サケ亜科イワナ属
本種は北海道の然別湖にのみ生息する固有種(オショロコマの亜種)。
生息環境によって茶色の魚体のものもいるが、イワナとは思えないほど美しいブルーバックやグリーンバックの個体も存在する。魚体の美しさから釣り人の憧れのイワナである。
大イワナの可能性
上記の通り、国内のイワナにも色々と種類があるわけですが、この中で最も大きくなりやすいのはやはり海に降りて豊富な餌環境で生育するアメマスであることは間違いありません。
アメマスの日本記録が92cmなのに、内陸ので育ったニッコウイワナやヤマトイワナなどが100cmを超えることがあるのでしょうか?
その点にまず強い疑問を抱きます。
大イワナの話は各地で数多くあれど、実際に写真などが残っているケースが非常に少ない魚だと思っています。
かの有名なタキタロウ伝説の大鳥池(山形県鶴岡市)についても同様のケースだと思います。
私にとって最も身近なダム湖、岐阜県の御母衣(みぼろ)ダムでも私の知り合いの方が過去に83cmのイワナ(ニッコウイワナ)を釣ったというお話を聞いていますが、当時カメラも今ほど手軽に持ち歩ける時代ではないので写真などはありません。
他にも流木のようなサイズのイワナを見たことがあるとか、岐阜県で100cmのイワナを狙っている釣り人のグループがあって実際に釣っているとか色々お話を聞いたことがありますがどれも共通して写真などは見たことがありません。
(ちなみにその方達を疑っているわけではないですからね)
しかしあまりにもたくさん話を聞く割には実際の写真や資料が無いとなると、信憑性には欠けるので写真が残っているものの中で最大のサイズはどれくらいなのかを探してみました。
陸封大イワナの記録
日本で最も大イワナの可能性があるフィールドとして、情報も豊富に公開されている福島県と新潟県との県境を跨ぐ、銀山湖の釣果を調べてみました。
銀山湖はかの有名な小説家・開高健さんがこよなく愛した大イワナのフィールド。
古くからトローリングが盛んに行われており、釣果データもきちんと残されています。
過去の記録では
H2年5月にイワナ70cm
H2年8月にイワナ72cm
H6年8月にイワナ71cm
R4年4月にイワナ70cm(その間、実に28年ぶり)
このように過去35年ほどの間で釣られた70cmオーバーのイワナ(ニッコウイワナ)は4尾、サイズも70 〜72cmあたりが限界値と言えます。
私個人的な意見としてはイワナは本来、60cmに到達することすら稀だと思うので、この辺りの数値で限界なのも頷けます。
冷水を好むイワナにとって現在の高水温になりやすい環境は大型化するのにも悪影響なのか、大イワナは年々減少しているとも捉えられるデータです。
この詳細は銀山湖で宿をされている奥只見山荘様のブログに掲載されております。
僕が知る限りではアメマスを除く、通常のイワナ(ニッコウイワナやヤマトイワナ)の釣果として最大なのが魚沼トラウト協会公式ブログ様に記載されている75cmです。
私個人的な感覚としてはこの75cmはイワナの中でも別格中の別格。
限界値が70cmあたりのイワナの中で、このサイズは極稀なサイズではないでしょうか。
もしこれを超えるイワナの釣果で、写真が残っているものがありましたら是非情報提供いただけると店主大喜びです。
この記事も随時情報を更新していきたいと思っていますので、皆様からの情報提供もお待ちしております。
ではまた!
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